BLOODY JUICE
写真家 木村ヨーシローが 1990〜2017年に撮影した、ロストジェネレーションの物語
会期:2018年8月30日(木) – 9月30日(日)
時間:11:00 – 18:00
休廊日:月曜・火曜
入場無料
フライヤー表(JPEG : 1.1MB)
フライヤー裏(JPEG : 0.7MB)
バブル経済が崩壊し始めた90年代、企業はリストラを行い、新規採用を減らしました。この就職氷河期に社会に出なければならなかった若者は、いきなり世間から冷たい洗礼を受けたのです。
彼らは、マスコミによって”ロストジェネレーション”と名付けられ、だらしなく「気楽なフリーター」を選択した快楽主義者のように報じられることもありました。しかし実際の彼らは、冷たい社会に対して反論したい気持ちを押し殺し、それでもなお生き残るため、もがき苦しんでいたのです。
今回の展示 BLOODY JUICE(ブラッディ ジュース)は、そんな時代のロストジェネレーションの肖像写真です。
1995年には阪神淡路大震災とオウム真理教による地下鉄サリン事件が起こり、世紀末へ向かう不安が増大しました。2011年には東日本大震災のために原子力発電所が事故を起こし、今なお安全神話は崩壊したままです。その間の私は、得体の知れない不安を抱えた若者たちを撮影してきました。
どんな撮影をするか話し合うと、愛用のぬいぐるみを殺してみたいとか、身の回りで起こっている援助交際に憤る姿を撮られたいとか、睡眠薬に頼る情けない自分を客観的に見てみたいとか……それぞれ胸の内を打ち明けてくれました。時には、押し殺した心が怒りとなって吹き出し、時には、やるせない想いが涙となって溢れます。
ここに展示してある作品は、そういうプロセスの中で生まれた虚と実が入り交じった写真の物語です。
どうぞごゆっくりとご高覧ください。
木村ヨーシロー(Yohshiro Kimura)略歴
1962 山口県柳井市生まれ
1980 山口県立柳井高等学校卒業
1985 香川大学法学部法学科卒業
1985 白峰館印刷株式会社 株式会社フォルテ入社
1986 木村写真事務所設立
1993 呉市立美術館写真展(エロスとタナトス二人展)
1998 ビジュアルマガジン「VALOY」No.1 No.2発行
1999 ギャラリーPOCOLOCO(大分県湯布院)個展
2005 大島アート展参加展示
2006 写真専門誌 “ZOOM Japan Vol.6” 特集掲載、フランス写真専門誌 “PHOTO”誌 紹介記事掲載
”ERORISTS XXX”写真展参加(東京 渋谷ルデコ/銀座創画廊)
2010 Y-EYE’Z写真展(広島 カフェキャラント)
2011 山口県柳井市へ転居、Y-EYE’Z設立
2012 ヤナイ・アートチカ参加展示、”EROTIC ROOM”グループ展示(山口県周南市 ph graphics)
2017 THREE TREES(広島市旧日本銀行広島支店)